夢見る夢子ちゃんの「夢物語 」-3-

 

 

いつものように、バイト先でウェイトレスの仕事に励んでいた2月の夜。

 

 

とある人物が目に飛び込みます。

 

 

たま~に入るランチの時間に、

よく来られる常連の方が奥様を連れてこられていたのです。

すごく品のある奥様。

 

しかも、

見た目からして “明らかに” デザイナーさんかファッション関係の方 だというのは分かりました。なんなら、ファッション雑誌を片手にしています。

 

 

 

さり気なく何読んでるの~?と聞いてみます。

すると、こうゆうファッション誌があってね~、このページが好きで~、と話しているうちに、お仕事がファッション関係で~、と言います。

 

 

直観で 「もうこれは”絶対” デザイナーさんだ。」と思い、気づいた時には言ってました。

 

夢子「わたし、実は〇〇〇〇学校に通っていて、6月に卒業なんですが、それまでインターンシップが出来るブランドを探しています。もしかしたらと思ったんですが、あなたの会社はどうですか????」

 

 

一応、バイト中です(笑)

 

 

が、続きます。

奥様「あら!そうなの? 〇〇〇は出来る?じゃあ、〇〇〇や〇〇〇は出来る?」

 

出来ないとか不得意とか関係なしに、

取り合えず全て

夢子「はい!もちろん!凄い好きな科目です!」(ハイテンション気味で)

 

 

大ウソつき野郎です(笑)

が、そんなのこの時点では関係ないのです。

こんな夢子が言うのもなんですが、

何でもとにかく「熱意」が大切です。

英語を話すときも、上手さよりも熱意。

どれだけ自分の想いを相手に届けたいか、が重要です。

 

 

 

そうすると、、、

 

奥様「あら!いいじゃない!

じゃあ、取り合えず名刺渡すからうちのブランドのサイトを見てみて。

それで、もしあなたが好きなテイストだったらメールをちょうだい!」

 

そういって、メールアドレスを書いた名刺二枚を渡してくれます。

 

 

夢子「ワォ!本当ですか!!!!分かりました!!!!!」

 

 

 

もう一度言います。

はい、夢子バイト中です。

 

 

でも、夢子は

「うええええええええええええええええええええい!!!!!!!!!

しゃーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」

とニンマリしながら心で叫びました。

 

 

 

それは、一瞬で大きな歯車が動いた瞬間でした。

 

 

その方は、

直に私の大好きなブランドの一つになるClover Canyonのデザイナー兼オーナーさんでした。

 

 

 

こんなこと、絶対バイト中にあり得ないと思ってました。

 

 

普通、学校に来る求人から探します。

特に留学生には門が狭く、期限ぎりぎりで決まる人の方が多いインターンシップと就職先。

なんなら、言葉の壁があるからアジア系の会社に仕方なく入る人が多いのに。

 

 

なのに。

 

 

まさかのアメリカの会社。

本当にあり得ないことがバイト中に起きました。

 

ただ、それは、そこにレストランが存在していたからで、更に言うと、とっても美味しい料理を出していたからです。

その時改めて、学校を邪魔して大嫌いだったバイト先が “ただのバイト先” ではなくなりました。

 

人生何処で何が起きるか、何に出会うか、わからないのです。

しかも、その[何か]は、そこにあったのか分からないくらい物凄いスピードで去っていきます。だから、そんな時に迷っている暇はないです。誰かに取られてしまうから。

 

チャンスが巡ってきた時、後悔のない判断が出来る自分でいること。その為には、やっぱり「自分の環境・自分自身を整えること」が大切だな、と夢子は実感します。

 

 

自分が会社の社長だったら、バイト中のウェイトレスにそんな事をしてあげられるかな?そんなことも、ふと思います。

 

もしかしたら、「その学校に行っていたから」かもしれません。「日本人だったから」かもしれません。もしかしてもしかすると「レストランのオーナーと親しかったから」かもしれません。どれが理由かはわからないけど、このチャンスと出逢いに感謝しました。

 

 

 

ちなみに、夢子の好きな言葉の一つは「一期一会」です。

ありきたりと言われるかもしれません。しかし、深く心に響く言葉だなぁと思います。

 

お店に来られる方、仕入れ先で出会う方、最終的にはヒト対ヒトです。間にあるのは洋服かもしれません。アクセサリーかもしれません。雑貨、あるいは家具かもしれません。でも、最終的にはその向こうにヒトが存在します。

 

考え方はそれぞれで、中には甘い!綺麗ごと!と声を張り上げて怒る経営者の方もいらっしゃるかもしれませんが、

目先の利益よりも、その「ヒト」の事を思いながら販売や仕入をする。お店を改善する。そんなキモチの積み重ねが「長くお店をやるための秘訣・良いものを届け続けるための秘訣」だと信じています。

病は気からと言いますよね。気持ちの持ちようは外に自然に出るんです。

 

 

 

 

そんなこんなで、夢子は帰宅後すぐにブランドのサイトを見ました。

 

驚くほどに大好きなテイスト。柄と色を多く使った特色のリゾートブランドです。

今夢子がやっているお店に色物・柄物が多いのは、そこがルーツかもしれません。

 

 

 

「サイトをあれから見たんだけど、大好きなテイストです」とすぐメールします。

 

そうすると、数日後に面接をするという事になります。

まさか、予定よりもこんな早く、誰かに自分の仕上げた※ポートフォリオを見せる日がくるなんて。

(※自分の能力を周囲に伝えるための自己作品集のこと(作品を平カバンに詰めておくことから)。特に、美術系の文脈で使われることが多い。wikipedia引用)

 

 

 

もう、ここまで来ればインターンシップも決まったも同然でしたが、良しの合図を貰ってなかったので、まだ不安でした。

 

 

面接日当日、

あのドキドキわくわくしながら初めて見た景色を今でも忘れません。

デザイナーチーム、パターンナーチーム、裁断チーム、裁縫チーム、グレーダーチーム、プロダクションチーム、広報担当、経理担当、沢山のその道のプロ・チームで成り立っている、一つのブランド。

買う側からは見えない、見る事のできない景色です。

 

 

 

オーナーのロゼと話した結果、全部が驚くほどとんとん拍子に進みます。

 

 

完璧でないポートフォリオには、ざっと目を通してくれて、

「是非、うちでインターンシップをやってみない?」

そう、言われます。勿論答えはイエス。

 

 

気づいたらその数日後からインターンシップが始まっていました。

 

Clover Canyonのフロアーに足を運べば運ぶほど、途中で投げ出さずに、ここまでやってきて本当に良かったな、と実感します。

高校生の時の決め事。「遊んでいても目の前の事とはちゃんと向き合う。」この誓いのお蔭かもしれません。

 

 

それから、暇さえあれば行かせてもらった、インターンシップという名の現場での勉強。

ちなみに夢子の仕事はパターンナーという、洋服の型を作る仕事。

学校生活の中で育んできた次の目標は「デザイナー」だったのですが、デザイナーになるにはパターンナーの仕事でもある、服の型作り・構成を学ばないといけないなと思っていたのでピッタリでした。

急がば回れです。

 

 

周りの誰よりも長い期間インターンシップをさせてもらい、卒業の1か月前には同ブランドへの就職が決まりました。

 

 

 

お祝いを何回すれば良いか分からないくらい、とにかくうれしかったのを思い出します。

 

このClover Canyonでの経験・出逢いが、夢子の今後に大きく大きく影響します。

 

 

 

まず、ここで出逢ったデザイナーさんたちは、言葉では言い表せれないくらい、洋服に対して、デザインに対して、ブランドに対しての愛情がとにかくx1000深かったです。

自分たちが創り出しているものをすごく大切に扱うし、成果が出た時のお祝いと言ったら常識外れで凄い。そして、チームを凄く大事にします。

 

 

クリスマスには盛大なカラオケ付きクリスマスパーティーをし、

ハロウィンには仮装大会をチームごとに開催、

時にはオバマ大統領の巨大な写真を額縁に入れ選挙期間を楽しみ、

時には売上げ達成のご褒美にスパとマッサージに連れて行って貰い、

時にはデザイナーの一人の家で夜景を見ながら飲み会をし、

時には合同誕生会で記憶を無くすまで飲みまくって酔いつぶれる。

こんなことを、頑張ったご褒美と言わんばかりに仕事の仲間としました。職場の人とやることではなく見えますが、こうゆう息抜きも大切だと言ってました。

 

 

コレクション発表でモデルが履くバレリーナシューズ。

どうしても良いものがないから作ろうとなり、数日徹夜しながら、フロアー全体で希望のデザイン(靴全体にスワロフスキーが埋めてあるデザイン)に仕上げた事、あれは特に大変でしたが、チーム力を感じた瞬間です。

 

 

 

今までづーーーーっと、ここに来るまで買い物する側だった夢子ですから、これはまぁ驚きといいますか、かなり強烈な印象となります。

 

また近くにいればいるほど、「この人たちのように将来なりたい」と強く思うようになります。そして同時に、デザイナーさん達と自分をかなり比べていました。

どうやったら、なれるんだろう、どうやったら近づけるんだろう。

何をすればこの差が埋まるんだろう、こんなことをいつも考えていました。

 

違いを感じて自己嫌悪に落ちるより、差を埋めるにはどうしたら良いかを考える時間も、極めるには必要なステップなんだと思います。

その為には、自分より長けてる人の近くに身を置く。真似する。それが一番の近道。

 

お店を持ったいま、バイヤーという仕事をしているいま、

この時に出逢ったデザイナーさんのように「好きの大きさ」を基準に夢子は全てを決めています。売れるの前に自己満足で良いから、自分がどれだけ好きか、心が躍るかです。

 

その為には、やっぱり自分の目で見て実際に自分の肌で感じる事、直観を感じる事、この行為が大切だという思いがあるから、わざわざ現地に行き直接メーカーの人と話をして買い付けているんだと思います。

一言も話をせずに仕入れる事だって勿論可能なので、わざわざ行くことはムダ金を使ってるなぁ~と感じる人もいるかもしれません。ですが、対面販売する時には特にと言っていいほど必ず繋がる、やり方です。

 

ちなみに、ブランドでは、もちろん好きだからと言って全部が商品になるわけではありません。ふるいにかけた後に勝ち残った洋服が商品になります。

お店の経営の仕方も、商品の選び方も人によって当然違います。

ただ、夢子は出逢いから学んだこと、掛けられた言葉を優先してるだけ、ただそれだけです。

 

 

 

 

そして、夢子のいた「パターンナーチーム」。

ここでも沢山の事を学びます。洋服の奥の奥、そして人として、道徳的なものも学びます。

数ミリの違いが、着心地やデザインに影響するし、数ミリの差でやり直しになったりもします。少しのデザインの違い、生地の使い方の違いが原価そして定価に関係します。

かなり地道な作業の積み重ねで、表舞台に立つデザイナーよりも裏方として徹する、影の薄い役割ですが、ブランドの守護神のような存在です。

有名なブランドには必ずと言っていい位に、とても腕の良いパターンナーさんが就いているんだよ、とも教えてもらいました。

 

 

 

 

 

 

そんなこんなで詰め込みまくりの毎日。

 

とても速いスピードで過ぎていき、あっという間に1年経ちます。

 

充実している証拠、と言われるかもしれませんが、苦難だって沢山ありました。

口にも顔にも出さないけど、「言葉の壁」は勿論あったし、色々な事のバランスを取るというのはやっぱり難しい。

 

ただ、昔夢見ていた自分に教えてあげたいほど、沢山のやりたかったことを一気にやって抜けた、本当に実りのあった1年でした。メダルで言うなら、銀メダルくらいはあげたいと思います。(笑)

このまま働けたら良いな~と、夢見てました。

 

 

 

 

でも、

そんな時に、

夢子にある一通の連絡が入ります。

 

 

 

ここで、夢子は人生でかなり大きな決断を迫られるのです。

 

 

 

 

つづく

 

 

※全部詰め込み過ぎて、3章に収まらなかったので4章にします。(笑)

 

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